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主人公がブロブの変わったアクションゲーム。2006.2.14記

 このゲームは2年ほど前に一部で話題になったのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、不定形生物のプレイヤーキャラが反動をつけてジャンプする、張り付く、柔らかくなるの3つのアクションを軸にしたアクションゲームです。

 2.5Dによるライティングがよく話題になっていましたが、2.5Dを採択したのはどちらかと言うとゲームプレイに恩恵があり、例えば衝撃を加えると天井のブロックがひとつひとつ崩れたり(潰されないように注意)、良好なステージデザインと相俟ってギミックが活きています。全体的には助走をつけてジャンプしたりと地形との戦いがメインになりますので少し地味ですし、また難易度も後半のステージはかなり高くコンプリートには練習が必要です(プレイヤーキャラは体力制だが、後半は溶岩池などが増えてデッドリーになっていく)。多数盛り込まれたシークレットを探すのも楽しみの一つですが、見つけたとしてもそう簡単には到達できません。

 シークレットには加点されるだけのものから他ステージへのワープ、そして隠しステージに飛ぶスーパーシークレットがあり、スーパーマリオの1-2面をまるごとパクったステージや、ウルフェンシュタイン3Dの隠しフロアを彷彿とさせるパックマンステージなど、全てクラシックのパロディになっており一見の価値はあります(特に1-2の調子外れなBGMは最高)。繰り返しプレイして面白いかはかなり怪しいですが……。

 対戦専用のゲーム(相撲などがある)もありますが、これはブロブ同士で戦うようになってはいるものの本編から独立したおまけという感じでそれほど面白くはありません。

 ストイックではあるもののアーケードスタイルで素早く遊べますし、アクション要素のあるパズルゲームが好きな方にもお薦めします。また日本のゲームで言うと海腹川背が好きな人はぜひ一度お試しください。

 ところで、このゲームはいわゆるインディペンデントゲームに分類されます。その殆どがそうであったように発売まで恐ろしい苦労があったとか。この作品に至っては、作者が制作中に住んでいるアパートを追い出されたり波乱万丈だったようです。成功した後の思い出話としての夜明け前談はよく聞くものの、その中でもこいつはひどく生々しい話です。

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