Sid Meier's SimGolf

(シド マイヤーズ シムゴルフ)

箱庭もの。

 タイトル通りシド・マイヤーのデザインによる、Maxisのシムシリーズの世界観を借りたゴルフゲームです。プレイヤーはゴルフコースを設計管理し、自らも自コースで開催されるチャンピオンシップに挑戦する、とこれだけ聞くとそこまで面白そうには思えませんが、いい具合にソリッドさと不真面目さが混ぜ合わされた優れた作品と言えるでしょう。

 このゲームにおいて優れたコースは「距離、精度、創造力とあらゆる技術が要求されるが、難しくない」という一見矛盾した定義で、無意味に難しいコースを作るとプレイタイムの延長および順番待ちの客の怒りを買うしっぺ返しが待っています(ゲーム中の客は何時間も待っているが、私なんかは短気で事あるごとに怒っているので同じくらい待たされる前に切れるかもしれない)。では具体的にどのようにコースが評価されるのかと言うと、CPUが取るパスはそれぞれの持つ技術で制限されるウェイポイントで表現されていて、設計中もこれを閲覧可能。ここでは具体的にどの技術を持っていないと全技術取得時からマイナス何フィートという具合に表示され、これを作りたいコースの性格とあわせて吟味設計するのはとても楽しい作業です。またマス目ごとのラフな当たり判定にはなっておらず、置いた木の高さやちょっとした傾斜までウェイポイントに反映されたりと凝った作りになっており、コース設計がかなりのチャレンジとなることは間違いありません。

 一方、コースを自分で回る場合は自キャラのスキルが成績に大きく反映されます。ドライバー、アイアン、フェード、ドローから運まで細かくスキルが設定されており、一定の条件(右ドッグレッグホールを作る、トーナメントで優勝するなど)を満たすと新しいスキルを配分できる他、コースを回ることによってもスキルが上下するようになっており、これが好成績を難しくしています。ひたすらコースを回れば全てのスキルがMAXになるようにはなっておらず、またスキルが変化すると同じポイントに打っても全く別の結果をもたらすがために、トーナメントで優勝するには自分で自分の設計したコースを研究しなければなりません(ここで技術力が要求されるコースなんて設計するんじゃなかった、と後悔する)。アクション性は一切なく、システムもドロー、フェードなどショットの種類を選んでポイントをクリックするだけ(クラブは自動選択)と簡潔ですが、この辺りは感心するほどよくデザインされています。

 ゲームの進行が非常にのどかで遅い(なんせゴルフだから、次のコースが遠いとそれだけ歩くのを待たなければならなかったりする)のであまり長時間熱中するという感じではありませんが、ダラダラ2,3時間はプレイしてしまうゲームと言えるでしょう。欲を言えば気候による変化が見た目以外はちょっと弱すぎるのと、上級者向けに風のオプションが欲しかったが、ここまでよく作られたゲームはそうそうお目にかかれないはずです。「シム」がついているということで、シド・マイヤーぽさがスポイルされるのではないかと思いきや、明確なスコアリングやランダム生成のマップ、ちょっと変なメッセージなどは完全に彼の作風ですし、「Many Hats of Sid」などというテーマを選ぶと南北戦争ネタが出てきたりして……。

 ちなみに、かつて出ていたSimGolfとは別物です。

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