Ballance

3D版マーブルマッドネスのようなゲーム。

 ボールの材質が3つありこれを使い分けていくようになっていますが、これは単にパズルを解くための手順として存在しているわけではなく、新聞紙は送風で浮くが真っ直ぐ転ばないなど、重さの表現がアクションに作用しているところがまず面白いところで、特に「石」の状態では重みを感じることができます。どちらかと言うとアクション重視の内容ながら、立体的なギミック、例えば垂直に2本配置されているレールはその方向に力を加えることによって伝って通れたり、3Dであることを意識したステージデザインはよく出来ています。ちなみに高所恐怖症の方はちょっと足がすくむかもしれません。

 問題点として、中盤まで難易度の上昇カーブが緩やかすぎて(ギミックもストレートであまり面白くない)多少退屈で、他にも1ステージがやや長すぎるという点が挙げられます。4,5程度のチェックポイントが設けられているものの、もっと1ステージを細かく分割し、より特定のギミックに依存したステージを盛り込んだ方がバラエティができたと思うのですが、タイムアタックという観点から見るとこちらの方が面白いという方もいらっしゃるかもしれません。

 www.ballance.orgからは追加ステージ「速度」がダウンロードできます。これはパズル・アクション共にかなり難易度が高いですが、かなり個性的なステージで標準ステージに不満を感じた方ならプレイして損はないでしょう(最速プレイ動画も必見である)。残念ながらアドオンが開発されているような話は聞きませんが、もっと優れたステージをプレイしてみたいと思わせるだけの出来ではあります。

 このゲームはいわゆるインディーゲームで、VirtoolsなるGUI開発環境により開発されたそうな(Virtools社は2005年Dassault Systemesに買収されました)。

 P.S.2006年9月1日にフロンティアグルーヴより国内版が発売されました。ただ「脳を鍛える」というキャッチコピーはいくらなんでも酷すぎると思うのですが……。

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